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オーケストラ・アンサンブル・フリーEAST+黒田鈴尊(第4回演奏会) [演奏会]

2015/08/29(土) 取材

佐原詩音さん(注)から、標記演奏会のご案内を頂き、聴きに行きました。
このオーケストラは、関西一円のアマチュア・メンバーから構成されるオーケストラ・アンサンブル・フリーWESTの関東支所のようなオーケストラで、初めて聴くオーケストラでした。共演の黒田鈴尊氏は数年前から何回か聴きに行ったことがある尺八演奏家です。
注)今回この演奏会をプロデュースした新進女性作曲家。ご自身もチェロの演奏で出演しました。

 最初に、アンサンブル・フリー+黒田氏尺八独奏によるRoaming liquid(山本和智氏作曲)(邦題「彷徨う流体」)が演奏されました。この演奏は世界初演ということですが、演奏が始まって、きたろうは衝撃を受けました。これが、尺八の音なのか?これが、オーケストラの音なのか?佐原さんによれば「宇宙空間を垣間見たり、風や光にすっと触れるような、不思議な音がたくさん!」しかし演奏が進むにつれ、「あ~~和のテーストだ~~」と思える箇所が何箇所もあり、不思議な音の連続ですが、現代邦楽なんだな~とも思いました。

ついで、マーラーの5番ですが、壮大なスケールの楽曲をフルパワーで熱演し、聴衆を圧倒してくれました。
拍手鳴りやまず、何度もカーテンコールがなされ終演しました。

#01、プログラムの表紙
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※上下に圧縮してあります。

#02、演奏会場=小金井宮地楽器ホール(大ホール)
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※武蔵小金井駅、南口のロータリーに面しています。

#03、今年の3月までは、「小金井交流センター」と称されていたようです。
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#04、本日の当ホールの使用予定
#04宮地楽器ホール本日の予定13時11分41.jpg


#05、大ホール受付
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大きなガラス窓でロビーは開放的です。円形のホールの形状がそのまま見られる、魅力的な構造です。

#開演5分前
#06開演5分前13時26分56.jpg


#山本氏、黒田氏のプロフィールの紹介と、近々ある演奏会の宣伝コーナー
#07山本和智氏黒田鈴尊氏紹介宣伝コーナー13時58分43.jpg


普通は、この辺で、お二人のプロフィール紹介をするのですが今回は、山本氏については、山本氏がプログラムノート用に寄稿した文章を、黒田氏については、演奏後自身のSNSに投稿した文章をそのまま転載致します。(転載許可は頂いています)

#08、山本和智さん(左)、黒田鈴尊さん(右)
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●「roaming liquid(2014)」の作曲者・山本和智さんが本日のプログラム・ノートに寄稿した文章をそのまま転載します。

❖山本和智作曲 roaming liquid(2014)for shakuhachi and orchestra [委嘱作品/世界初演]

  今年の10月で40歳、つまり「不惑」を迎えるのですが、その不惑を前に、昨年は「ひたすら迷う」というテーマで迷走、或いは錯綜する状態 「不定形な流体」のイメージに準え、『Roamingliquid set』というそれぞれ独立した5つのソロ作品を作曲しました。すなわち、尺ハソロのための『帯 水層』エレクトリック・ギターとエレクトロニクスのための『潜流』、バリトンサクソフオンソロのための『潮汐波』、バリトンソロのための『静水圧』、 ヴァイオリンソロのための『巻層雲』です。迷い、且つ惑う、まさに「迷惑」を方々におかけした一年でもありました。そして今作は、そんな昨 年の最後にその集大成として、その5つのソロ作品からそれぞれテーマを引用しつつ書き上げたものです。

今回のお話を頂き、私は嬉しさのあまり夢中で作曲をしたため、1ケ月も経たぬうちにこの作品を書き上げてしまいました。例えば「寝ても覚めても」という言葉が比喩ではなく、本当に夢の中で曲を書いてしまい、目が覚めて慌ててメモを執るとか、日常生活の中でも次々に湧き上がるイメージが頭からこぼれそうになるため、自分の腕やレシートのような、たまたま持ち合わせた紙切れにびっしリ書きつけるとか。ヒドイ時は、書いたスケッチが面白すぎて何を思ったか、そのメモを食べてしまったりだとか…。誤解のないように強調しますが、こういったことが「自然に」私の中で起こりました。

 とても正気とはいえない不思議な約1ケ月という期間を私はこの作品と過ごしましたが、完成に向かうごとに、それはあたかも上質な小説を読むが 如く「終わるな、終わるな」と思いながら書き進めたという点で、これは最高に幸せな時間でもあったのです。そして、気付けば作品は完成していたのですから、「作品」というより「現象]と言った方が或いはしっくりくるのかもしれません。私の内に起こった、ある「現象」がこの曲を一応の完成 に到らしめたわけです。そして、その「現象」は皆さんの直観に働きかける何かを持っているようでもあります。また、最後に聴かれる密やかな音は、ー滴の雫が蒸発し空気中に霧散するイメージなのですが、この音は今年10月、京都で初演される3人の筝奏者と室内オーケストラのための『散乱系』 に引き継がれていきます。
  指揮者の浅野亮介氏、ソリストの黒田鈴尊氏と、愛すべきOrchestra Esemble Free Eastの皆様には感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。
                                     
             山本和智 Kazutomo Yamamto、
※山本氏は仲間内では”天才作曲家”と呼ばれ、リスペクトされています。

#09、山本さん黒田さん(2)
#09山本和智黒田鈴尊153234.jpg

●黒田 鈴尊氏演奏後談話
8/29は山本和智氏による新作尺八コンチェルト「Roaming liquid for shakuhachi and orchestra」の初演でした。Ensemble Free Eastの皆さんの情熱と、沢山のお客様の耳と意識が一体になる様な"気"の中、遊泳させて頂きました。ご来場頂きました皆様、作曲者山本和智さん、指揮者浅野亮介さん、そしてOrchestra Ensemble Free Eastの皆さんに、改めて心より御礼申し上げます。武満徹の「November Steps」一曲の影響で人生をやり直し始めた私にとって、今を生きる天才作曲家・山本和智氏の尺八コンチェルト初演の機会を頂けたことは、夢と原点回帰とを同時に叶えさせてもらったかのようでありました。個人的にも特別な想い入れある初演曲を、作曲者、指揮者、オケの皆さんと一緒につくりあげたこの夏、共有した濃密な時間は、言葉にならないほど、しあわせでした。

 頂いた感想のなかの"未だ行ったことのない目眩く世界に連れていってもらえた"、"聴こえない音が見えた"などが象徴するように、この曲は作曲者の言葉通り"現象"なのだと改めて感じています。音楽は様々な感動を与えてくれますが、この曲で体験するのはその中でも稀有な現象かもしれません。尺八を知っている人とも知らない人とも、ここでしか味わえない世界/宇宙観を少しでも多くの人と共有したいと願っています。

未体験の方は是非11/8、指揮者・浅野亮介氏の本拠地関西での再演を聴きにいらして下さい。オーケストラの雰囲気も東京とは相当異なるからまた一からになるかもとのこと……実は今からウキウキわくわくしております。

※黒田氏は、仲間内からは「黒ちゃん」と呼ばれ、親しまれています。

#10、オーケストラ・アンサンブル・フリー(WEST)尼崎公演
#10アンサンブルフリー22回演奏会・尼崎11月8日.jpg

●Orchestra Ensemble Free 第22回演奏会
 ❖日時:2015年11月8日(日)13:30開演(13:00開場)
 ❖会場:尼崎市総合文化センター あましんアルカイックホール
 ❖曲目:
  ・ハチャトゥリアン:フルート協奏曲*
  ・山本 和智:Roaming liquid (2014) for shakuhachi and orchestra [Ensemble Free 委嘱作品]**
 ・バルトーク:管弦楽のための協奏曲*フルート独奏:越智 章文
**尺八独奏:黒田 鈴尊
指揮:浅野 亮介入場無料
※未就学児の入場はご遠慮ください
END

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コメント 5

竹の音

興味深い記事ありがとうございます。
とっても難しそうな…。
現代邦楽、お筝のをちょこっと前に聴いてシュール過ぎて自分には難しいなぁ、と。
新しい事って、大変なんですが大切なんだと思います。
関西でされるのか…。
by 竹の音 (2015-09-14 10:53) 

きたろう

竹の音さんコメントありがとうございます(*^_^*)
きたろうは現代邦楽は、TV放送を含めても数回しか聞いたことがありません。大抵聴き終わったあと、頭の中は「????」となるだけです。今回は、「????」というより、尺八の超特殊奏法を「へー、こんな音が出るんだ、こんな吹き方があるんだ」と驚き・感心しながら聞いていたら終わってしまったという感じでした。

 その時の特殊奏法を、言葉で表すのは難しいですが、オーケストラが作りだす全く異次元の空間のなかで、最初水がぼこぼこと湧き出し、それがさまざまに形を変えて流れ飛び散るような音だったり、風がヒューヒューと吹いていたかと思うと突然何かが破裂したりと変幻自在な音が生み出されていました。

 天才作曲家と鬼才の演奏家のお二人のコラボでしか成し得ない演奏と思いました。
本文に、きたろうの拙い感想などを書くと、せっかくの名演奏のイメージを損なうような気がして、佐原さんのコメントのみを掲載しました。


by きたろう (2015-09-15 03:20) 

きたろう

ある(外部)SNSにも、これとほぼ同じコンサート・レポを掲載したところ、作曲者さんから、ありがたいコメントを頂きました。下記に転載致します。

「山本 和智さん→きたろう 2015年9月9日 23:12
リクエストありがとうございます!
並びにレポートもありがとうございました。
なかなか不思議な作品だったかと思いますが、これからもコンサートが続きますので今後ともよろしくお願い致します。」

by きたろう (2015-09-15 03:22) 

タロサ

娘は音大(フルート)に進学することになりました。

高校の吹奏楽部から音大に進む生徒は意外と少ないんですよね。
たぶん2人だけらしい…

年内いっぱい部活があるので、年明けにはこんなコンサートに連れて行きたいと思うますよ。俺も興味あるし。
by タロサ (2015-09-15 04:08) 

きたろう

タロサさんコメントありがとうございます。
娘さん、進学おめでとうございます(*^_^*)
きたろうが知っている、フルートの(女性)若手演奏家さんは、ほとんど吹奏楽部出身です。
新進演奏家で自主企画のコンサートだと、委嘱の作品の世界初演の演奏が良く披露されます。
(仲間の新進作曲家ともども発展するために)
 コンサート情報は、行った演奏会でちらしを入手したり、face book友から、教えてもらったり(=宣伝)しています。
都内および京葉地区共に、無料のコンサートも探せば結構ありますよ。
by きたろう (2015-09-17 07:13) 

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